【予習しとこう!】妊娠中の生活の心得
妊娠中の母体には様々な変化が起こります。特に妊娠11週(3ヶ月)頃までと28週(8ヶ月)以降はからだの調子が変化しやすい時期。
仕事の仕方、食事、休息の方法には注意が必要です。普段よりいっそう健康に気を配り、妊娠中に起きやすい異常を事前に予防することが大切です。
出血・破水・お腹の張りや痛み・胎動の減少を感じたらすぐに産婦人科を受診しましょう。
- 栄養
- タバコとお酒
- コーヒー・紅茶
- サプリメント
- 正しい姿勢
- 仕事
- 乳房
- 休養と気分転換
- 薬
- 予防接種
- 清潔
- 外出
- 美容
- ネイルアート
- 性生活
- 重い物の上げ下ろし
- 立ち仕事
- 拭き掃除
- 歯の健康管理
- 家事
- 旅行
- 運動
- 車の乗車
- X線撮影
- ペット
栄養
バランスのとれた食事が大切。悪阻の時は食べられる物を少しずつ。どうしても食べられない時でも水分だけはしっかりとるようにする。
タバコとお酒
胎児の成長に悪影響なため禁煙・禁酒を。副流煙もダメ。
たばこは低出生体重児・子宮内胎児発育遅延のリスクを高くし、切迫早産・前置胎盤・前期破水・常位胎盤早期剥離を起こりやすくし、胎児の発育に悪影響を与えます。乳幼児突然死症候群との関連も。
産後もたばこは母乳の分泌に影響を与え、赤ちゃんも受動喫煙で呼吸器の病気やSIDSのリスクが高まるので授乳中も禁煙が必要。
お酒は流産や早産・胎児の発育に悪影響を及ぼし、胎児性アルコール症候群(出生前後の成長障害・顔面異常・中枢神経障害)の原因にもなる。授乳中も母乳の分泌に影響し、母乳を通じて赤ちゃんに移行してしまうので授乳中も禁酒が必要。
コーヒー・紅茶
カフェインは胎盤通過性があり、胎児にカフェインは蓄積されやすく、妊娠初期に流早産の原因になるので、摂取量に十分注意する。
1日1〜3杯(カフェイン約300mg)まで。
サプリメント
過剰な摂取で胎児の催奇形性のリスクを高めるものもあるので注意が必要。
特にビタミンA含有量の多いサプリメントの大量・長期摂取は注意。
栄養素はなるべく食事から摂取し、サプリメントは補助的な使用を心がける。
正しい姿勢
お腹が大きくなるに従い、負担のかからない姿勢と動作が大切になる。
体重増加と腹部のせり出しのため姿勢が悪くなりがちだが悪い姿勢は腰痛の原因にもなるので注意。
立っている時は顎を引き、肩の力を抜いて自然に胸を張る。背筋は伸ばし、お尻を持ち上げ、両足を開くような姿勢にすると楽。
靴は低めで底に滑り止めがあるものが安全でおすすめ。
仕事
休息を多めにとり、無理をしないこと。
体調の変化で通勤緩和や休息が必要な時は、母性健康管理指導事項連絡カードが使えるので主治医に相談をする。
乳房
乳首の手入れを妊娠中期頃から行う。
休養と気分転換
十分な睡眠と休息をとる。身体的にも精神的にも疲れやすいので疲れたら休む習慣を付ける。定期的な気分転換を計る。
薬
使用する事による利益が、不利益を上回る場合は薬剤を使用する。必ず医師に相談し、医師から指示された用法・用量を守り適切に使用すること。授乳中もしかり。
湿布薬やうがい薬でも胎児に影響を及ぼす可能性のある薬があるので注意。
予防接種
生ワクチン(風疹・麻疹・水痘など)は妊娠中接種できないが、インフルエンザなどの不活化ワクチンは接種出来る。
清潔
新陳代謝が盛んになり汗をかきやすいので、入浴・シャワーで常に清潔を保つ。熱すぎる湯や長湯は控える。
お腹が大きくなってきたら足下が見えにくくなるので転倒に注意。
下着の交換もまめに。
外出
長時間の歩行は子宮の収縮を強めるので運動や旅行は医師に相談を。
階段の上り下りは重心がとりにくいので手すりにつかまり、転ばないようにゆっくりと行う。
美容
肌がデリケートになるので化粧品は使い慣れたものを使用する。
保湿もしっかりと行う。
ネイルアート
妊娠中は何らかの理由で緊急の処置や手術が必要になることがある。その際に処置の妨げになるため、妊娠中は手足ともにネイルアート・ジェルネイルは控える。
性生活
妊娠初期や末期は控えめにする。清潔にすること・お腹を圧迫しないように気をつける。お腹の張りがあったら中止する。コンドームを使用し膣内射精は控える。経過にリスクがある場合は性器の挿入は避ける。愛情を深めるスキンシップを行う。
重い物の上げ下ろし
布団など重い物は腰を曲げるのではなく、膝を曲げて膝をつき、腰をおとして持ち上げる。
立ち仕事
お皿洗いなどは台に斜めに立つ。足は軽く前後に開く。
拭き掃除
四つん這いになる方が疲れにくい。
歯の健康管理
つわりなどで食生活が乱れたり間食がふえる・丁寧な歯磨きが困難になる・ホルモンバランスの変化で唾液量が減るなどの理由で歯周炎や虫歯などが進行しやすい。
歯周病は切迫早産との関連も指摘されている。
安定期・産後1か月頃に歯科検診・治療を行う。
家事
体がつらいときは無理をしないこと。
前かがみになるようなおなかを圧迫するような動作は避ける。
旅行
妊娠初期と末期の旅行は避ける。
妊娠中期(15〜27週頃。特に18〜24が推奨)に医師から安静の指示がなければ無理のない旅行を。海外へ行く場合は、現地の医療事情等を事前に十分調べる。
習慣流産や切迫流早産、頸管無力症、多胎の場合は控える。
運動
体調を整えることを目的に妊婦体操やウオーキングがおすすめ。
腹圧のかかる運動・振動を伴う運動・転んだりぶつかるリスクのある運動はやめる。
切迫流早産のリスクのある場合は控える。
車の乗車
妊娠中も基本的にシートベルトの着用は母体と胎児に必要。
ただし妊娠の経過によってシートベルトの着用が適当かどうかは医師に確認する。
腰ベルトのみの着用ではなく腰ベルト・肩ベルトともに着用し、腹部をベルトが横切らないように正しく着用する。
X線撮影
妊娠期間を通じ、不必要なX線被爆は避けた方が良いが、検査や治療の有用性・必要性が母体・胎児に及ぼすリスクより大きいと判断される場合には使用する事がある。
医師と相談する。
ペット
ペットを飼っている場合は、口移しで物を食べさせたり、一緒に寝たり、ほおずりなどをしない。ペットの世話後は手洗いを行う